ニュートン以前の正統な科学は、物事の発生する原因(目的)を明らかにするという哲学上の目的論に力点が置かれていた。たとえば、ルネ・デカルトは惑星の運動や重力の原因を、空間に充満しているエーテルの圧力差や渦動によるものとする「渦動仮説」で説明を試みている。また、ヨハネス・ケプラーは地磁気が惑星の運動の原因であるとする重力理論を展開している。
これに対し、ニュートンは主著『プリンキピア』においてラテン語で“Hypotheses non fingo”(仮説により偽らず)と宣言する。あくまで観測できる物事の因果関係を示すと言う哲学における宇宙論にあたる解釈を展開する。よって万有引力の法則を提示するにおいて引力がなぜ発生するか、あるいは引力が何のために存在するのかという問題ではなく引力がどのような法則によって機能するのかという説明のみに終始しそれをもたらす原因について論じる必要はないとし新しい科学的方法論を提示している。神の行いについて、人間の持つ理性では理解不能であるという思想を背景としたものであったが、このような方法論は実証主義による近代科学の礎となるものであった。
ニュートンの評価 [編集]
ニュートンの一連の発見は、19世紀になるとロマン主義の観点から非難されるようになる。特に、ジョン・キーツ、ウィリアム・ブレイク、ウィリアム・バトラー・イェイツらはニュートンを「文学の詩情の破壊者」と公言して憚らなかった。
しかし、リチャード・ドーキンスは著書「虹の解体 ("Unweave the rainbow")」で、スペクトルの発見に代表されるニュートンの研究こそは人類の知見を大きく広げることに貢献したと訴え、「科学には詩情の欠片もない」という非難に反駁した。
科学以外の側面 [編集]
ニュートンは科学の分野での功績が著しいが、それ以外の分野でも足跡を残していることはあまり知られていない。
宗教家として [編集]
ニュートンはカトリック教徒であったが、ユニテリアンやアリウス派に似た信仰を持っていた。キリストを父なる神と同等同質とせず、普通の人間とみなし、三位一体をキリスト教のものではないとみなした。[3]
ニュートンは聖書研究にも科学研究と同様の情熱をつぎ込んだ。
Isaac Newton's religious views
錬金術師として [編集]
ニュートンは造幣局長官の地位に隠れて、錬金術の研究を行っていた。近年、ニュートンの錬金術ノートを競売で手に入れたイギリスの経済学者ジョン・メイナード・ケインズは、「最後の魔術師」という表現でニュートンを表している。
20世紀になって、ニュートンの遺髪の分析により水銀が検出されたことはニュートンの錬金術にかける情熱を実証することとなった。
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